時間軸で整理する。

1983年頃(私が25才の頃)の昔の話になるが、当時勤めていた印刷会社の社長から1つのミッションを与えられた。
その頃はアナログの時代で、印刷原版「刷版」の製作には「フィルム」が用いられていた。アルミ版の「刷版」は使い捨てなので、再版(リピート)に備えて「フィルム」を大きな袋に入れて保管していた。レントゲンフィルムを立てかけて棚に入れておくイメージ。(といっても、レントゲンフィルも無くなったので、若い人にはイメージできないね)
新聞紙くらいの大きなクラフト紙袋が大量にあることをイメージ下さい。

この袋の管理には識別番号(得意先コード+連番)が記されていて、その番号順に収納されていました。
この方式には問題があり、誤った場所に収納したが最後、行方不明になります。しかも誤挿入に気がつくのはリピート受注の使いたい時。
大量の収納庫から一枚一枚を確認して探し出すことは現実的ではないので、改めて写植して版下を作ってフィルム撮影することになります。
リピート品なので営業は納期を短めに約束してあるので現場が混乱するのとコストアップ、しかも作り直すときに誤植があったりしました。
お客さんにしてみれば「前回と同じものを印刷してくれ!」と言ってるのに、文字が誤った印刷物が届くのでビックリどころか、信頼を失墜させる出来事でした。(そりゃそうだ)
業を煮やした社長が「この状況をなんとかせい!」と、私への特命でした。


「コード順をやめよう」と発想しました。
一枚一枚のコードを調べ100%正確に棚に戻すのは人間では無理。
絶対に間違えようがない仕組みにしよう

収納する日単位にでひと塊に棚にして戻そう。(1日あたり100枚程度だったので、その中ではコード順にする。並び間違えがあっても、その日分をチェックしても短時間で済む)
つまり「コード順」を「日付順」へ切り替え

問題は必要とするフィルムがどの「返却日」ゾーンに入っているかを知るかです。当時はパーソナルコンピューター(NEC:PC9801)とバーコードの仕組みが世の中に普及し始めていた時期でした。
フィルム袋にバーコードを貼って管理コードと関係付ける。
収納する際バーコードを読み、読取日付を収納日とする。
シンプルでしょ。

行方不明がゼロになったのと、収納にかかる時間が激減しました。
イノベーションですね。^o^

その後、野口悠紀雄さんの「整理法」なる本が出てきて、分類せずに時間軸だけで並べる考え方を読んで、あぁ自分と同じことを書いていると思ったものです。

新しい技術が出てきたら、今までのやり方を切り替えるチャンスですね。
図書館の書棚を見ながら思い出しました。

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