この1週間前まで「夜間中学」という単語を恥ずかしながら知らなかった。
過去には、映画「フーテンの寅さん」の山田洋次監督が「学校」というタイトルで4作の映画を制作されていたとも知り、社会的認知度は高いに違いない。^^;
でも現役の中学教諭でもある城之内庸仁(のぶひと)さんの今日の講演を聞いて安心した。
なんと現役の学校の先生でも9割が知らないそうである。
城之内さんは「岡山に夜間中学をつくる会」の理事長でもあり、日本中に広まることに尽力されている。
「夜間中学」の歴史そのものは古く、戦後の混乱の中で中学校に通えなかった子供達をサポートする目的で1947年に大阪でスタート
1970年代に入ると日本に帰ってきた中国残留孤児の生徒が多くなり、
90年代からは外国人労働者の子供達のサポートが主流になった。
学校数そのものは89校をピークに現在は31校。
日本の義務教育である中学をいろんな理由で通えなかった人、卒業できなかった人、形式的に卒業証書を持っているが実際は学習が足りてない人
そして昼間の学校には行きづらいと感じる子供達(シオヤマもそうだった。^^;)
そんな人たちの1つの受け皿となっているようで、現場では多くの成果を出しているとの話でした。
生徒の年代は中学生のみならず10代〜80代、国籍もバラバラなので捉えようによっては昼間の中学よりも視野が広まり、学びが大きい贅沢な環境と感じました。
先生によると昼間の多くの生徒は仕方なく勉強しており宿題からも逃れようとするが、夜間の生徒は自分から学びにきている。
昼間の生徒が夜の学校の雰囲気を見ることで影響を与えることもできた。
また、フィリピンの生徒が英語の時間では先生のアシスタンを務めることもあるそうです。
卒業生からの感想紹介があり、
・ポルポト政権のカンボジアから逃れてきた子供の時に、読み書きを覚えたことで未来が見えるようになった。
・学ぶことで負の連鎖を断ち切ることができる。
(そういえば、ビートたけしの母も「貧乏の連鎖を断ち切るのは教育」と言っていた。)
・頭に入ったことは他人から盗まれることはない。
・スーパーの何割引き札を見ても計算できないほど無知だったが、夜間中学での勉強の結果、栄養士を目指す大学に合格することができた。
等々
義務教育を終えてない人に学ぶ機会を法的に整えた「教育機会確保法」が平成28年12月に成立。平成30年6月より各都道府県に最低1校の設置を促進する基本計画が策定されたそうです。
その立法に尽力されたのが地元金沢の国会議員:馳浩(はせひろし)さん
(いい仕事してますね〜。^o^ Good Job! 馳さん!)
馳先生、そして大阪で昼と夜の中学校で教鞭をとられ、退職後も夜間中学を広げる活動を行っておられる黒川優子さんも加わったシンポジウム、質疑応答で理解を深めることができました。
・県知事や市長がゴーサインを出さないと始まらない。
・ハコモノ(建物)を作ろうと話ではないから、難しくとらえず、できる規模から始めればよい。
・「公的な夜間学校」の前に「自主夜間学校」からのスタートでもよい。
・「公的夜間学校」は昼間と同じように教員免許を持つ人が先生の条件であり、9科目の学習、卒業証書がもらえる。
・「自主夜間学校」は縛りがなく、誰もが先生になっても良く、入学条件もないフリー。税金を使わないので受講費、寄付金やクラファンで成り立っている。
大きな企業がCSRの一環でサポートするのもあるかもしれない。
西金沢駅近くの「パトリ」さんで「自主夜間学校」が、スタートするそうです。
公の金沢夜間学校(かほく市でもいいけど)、県内にできると学都金沢らしくなりますね。
この会を企画運営された主催の「石川に夜間中学をつくる会」の方々、お疲れ様でした。感染症が懸念されるこの時期での開催に感謝です。
シオヤマは知らないことが多いな〜と、勉強になりました。
ありがとうございました。
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