呉兢『貞観政要』出口治明(著)その3【 チームの力を鍛える 】

【 チームの力を鍛える 】
■一人で行う判断には限界がある。

ひとりの人間に出来ることには限りがある。どうして、1日に万もあるような重要な政務を、唯一人の考えだけに決済することができようや。
政務は広く賢良に任せて、天子は宮廷の中でじっとしていて、賢良たちのやることを見守る。
本当に大事なことは自分が決めて、それ以外のことは専門家に任せ、託し、委ねた方が得策。

■諫言(かんげん)のテクニック
事実で諌める。
故事を引用する。
共通点を示して同意を得る。

また、諫言は一人ではなく、複数で行う。

フォロワー同士は協力する。一人ではくじけてしまうようなことでも仲間がいればできる。諫言には勇気がいる、仲間と協力すれば知恵も集まる。

■共通テクストを見つけよう
お互いの共通項がある、お互いが知っている世界観があればコミュニケーションはすぐに成立する。

■少数だから精鋭になる。
部下を信用すれば実績が出る。信用するから信用される。(作用・反作用の関係)
「実績を上げるまでは信用しない」などと言っている上司は具の骨頂。
「お前のことを信頼しているぞ。頼むぞ」と言われれば、部下は自分の力を出し切る。

■うまく適材適所で配置させられない理由
「仕事は人生のすべて」との錯覚
仕事が人生のすべてと考えてしまうと失敗が怖くなり、正確な判断を下せなくなる。
「分析に長けた人に対して、人間の幅を広げさせるために営業をやらせてみよう」との考えは、日本の終身雇用制度からきているのでは?

人間のある種の傲慢が生み出した考え方では?

■良いチームとは
良いリーダーと良いフォローワー、リーダーは適材適所で役割を与え、一度任せたらどっしり構えて見守る。部下が自分を信用してくれているかに関わらず、まずは自分から部下を信用する。信頼させていると感じるから自分の能力を発揮するよう一生懸命に取り組み、信頼されているとの安心感から率直に意見を述べることができる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました