ゴディパ・ジャパン(株)社長のジェームス・シュシャンの著書
フランス人でありながら日本人より日本を愛しているのではないかと思える方
弓道の上段者でもあり、国際弓道連盟理事にも就任している。
奥さんは日本人。
弓道にかけた記述を抜き出してみた。
1.「結果に悩むよりプロセスを大切にしよう」
【正射必中】
正しいプロセスの結果として「的に中る」
矢を構えてから、矢を放つまでの8つの過程は【射法八節】
足踏み、胴造り、矢構え、打起し、引き分け、会、離れ、残心
私(シオヤマ)は大学時代、ライフル射撃をやっていたので、この考えはとても理解できます。目をつぶっていても標的の真ん中に当たるように一連の流れ、呼吸を一定にせよと指導されました。
2.【礼記射義】(孔子のことば)
「発して中(あた)らざる時は、即ち己に勝つ者を怨みず。
反ってこれを己に求むるのみ。」
外的要因よりも自分自身を見つめる。
環境や競合などの他人のせいにしていても何も生まれない。
3.【心を総体の中心に置き、而して弓手三分の二弦を推し、妻手三分の一弓を引き】
素人は弓を引く方の右手に多くの力を入れようとするが、正しくは弓を持つ左手の方を的の方に押し出す。
市場と会社内部のバランスになぞらえて、お客様の立場で見るウェイト2/3
ビジネスの場合は追い出すというよりも市場、消費者のパワーを引き込む力の方に重きを置く。
4.【的は鏡】
5.【真善美】正しい姿勢、立派な心構えを持つことで自然と美しい射形となる。
6.【無我の射】無心、無我のマネジメント
数字にとらわれない。
【道は自然にのっとる】老子
「自然に売れる」とはどういうことか。
特にミレニアム世代は、企業の態度に敏感。
従来アプローチ(商品の見せ方、売り方、接客マニュアル)が、役に立たないと気が付いた化粧品の「ロレアル」。
消費者と個人レベルで繋がれるようにそれぞれの美容アドバイザーが、自分らしく振る舞い、自分たちがお客様にしてあげたいように行動するように頼んだ。そうなれば販売について忘れて、コミュニケーションの流れから起きた結果として販売が成立すると考えた。
「サービスを提供し、他の人間と繋がる」
【為す無きを為し】老子
英語では「doing without doing」
作為的なことをしないために、いろいろな努力、アクションをする。
「自然に売れる」
「お客様が購入するのをお手伝いする」
最強のセールスとは売る為の努力をして、売ることを忘れること。
7.【矢所を見る】自分の問題点を探る。
的から逸れて、安土(盛り土した山)に刺さって射る場合には、それなりの原因がある。
矢の位置をみれば、自分のフォームのどこに問題があったかがわかる。
8.【あたる下手っぴいは、上手くならない】
ただ「的にあたっている」からといって、コンフォートゾーン(自分の居心地の良い場所)にとどまらず、常に自分たちのやり方を改革してゆくことが重要。
下手な人は一生懸命に自分のフォームを直そうと努力するから、最終的には上達する。
※「2年目の影響」ゴディバ用語
新製品発売、新店舗開店後、2年間なにもしなければ、必ず売上は減少する。
●ある弓道の先生のことば
昔の先生はあまり教えないで、自分で技術を発見できるように生徒を導いていました。今は、多くのことをあまりにも細かく教えています。これは、学生の成長や向上に役立ちません。
●ゴディバ流「ハッピーマネジメント」とは、
お互いを褒め合い、お互いをハッピーにして、お客様をハッピーにする。
人間はハッピーである為には「自立していなければならない。」
指示を待つのでなく、みんなが自分で発進できる「セルフ・スターター」になる。
●ブラインドスポットは直せる。
欠点は直せないが、本人が気が付いていない盲点(習慣的な癖やモノの考え方)はいくらでも改めることができる。
●実現したい夢を言葉にする勇気を持とう。
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