呉兢『貞観政要』出口治明(著)その1

『貞観政要』①:優れたリーダーの条件

■背景
・父「李淵(りえん)」が建国した唐の国を安定して治めた「李世民(太宗)」。
次男であったが長男と四男を殺害、父を軟禁して実権を掌握、29歳で第2皇帝に即位。

歴史に汚名だけが残ることを避けたい思いで優れた皇帝になることを目指した。さらに、自身の一挙手一投足を記録する仕組みを作ったことで残せたのが「貞観政要」

易姓革命:
孟子の思想、徳を失った王朝は天から見放され、王家の姓が変わる。
天から常にチェックされているとの考え方。

諫言(かんげん):
上に立つものの過失を遠慮なく指摘して忠告すること。(忖度の反対語)

魏徴(ぎちょう)の登用。もともと長男に仕えていた魏徴は、「有能な次男を殺さないと、あなたが殺されますよ」と進言していた。そのことを知った太宗は諫言太夫の役職で側近とした。

「君主は寄生階級にすぎない」
「自分はわかっている」と過信しない。

・兼聴:多くの人の意見を聞くこと
・偏信:一方の人の言うことだけを信じること

耳の痛い話こそ聞け
昔の王朝が滅んだのは皇帝が自分の感情のままに振る舞ったからと歴史から学んでいた。

人の器は大きくならない
「人間はちょぼちょぼ」ちょぼちょぼ人間に出来ることは限られている。
そして、そもそも人の器を大きくすることは簡単には出来ない。努力すれば器が大きくなるとの発想は、根拠なき精神論。
器の中身を捨てること、空っぽ状態にすること。築き上げた仕事観や人生観、思い込みを一旦捨てて、無にすること。空っぽになると新しい考え方を吸収し、自分を正しく律することができるはず。

リーダーとは「機能」である。
リーダーはフォロワーの仕事を奪わない。必要以上に干渉しない。

「権限の感覚」
太宗は自分のことを書かれた記録を見たいと思ったが、諌められて閲覧することをやめた。国を治めることが職務であって、自分のことを気にかけることではない。

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