「国運の分岐点」デービッド・アトキンソン(著)

日本の金融界に身をおいた後、小西美術工藝社(http://www.konishi-da.jp/)社長に就任したデービッド・アトキンソン。

日本通外国人の視点はなるほどな〜と感じることが多いが、この方もかと期待して読んだ本。指摘しているポイントは、

①戦後、日本が成長を持続できたのはなんだかんだ言っても日本の人口が増えたからである。
②ソニーやホンダのベンチャー成功例は一部であって日本全体に及ぼす影響力は小さいにも関わらず、今だに「下町ロケット」的な憧れ(幻想)がある。
③日本政府の過剰な中小企業(&小規模事業者)支援が国全体の生産性向上を妨げている。(この辺りは中小企業診断士のシオヤマには耳の痛いところ)
④1964年頃から始まるこの施策の背景にはOECDへの加盟による「外国資本の自由化」があり、東京オリッピック後の不況とも重なり大企業の株の持ち合いが始まった。いわゆる日本型資本主義(形式だけの株主総会)がカタチ作られる。
また、爆発的に増え続ける労働人口の受け皿として小さな企業を支援する法整備が拡充していった。つまり、50年前の考え方が今も生き残っているとの分析

人口減少に進む日本は、これまでの常識から逸脱しなければならない。
その為の提言が最低賃金の引き上げ。中小企業で働く人の賃金をまずは上げなさいとの話。稼げる(利益を残せる)ようになってから賃金を上げるのでなく、まずは賃上げからスタートさせなさい。その為には生産性(一人当たり付加価値)を上げるしかなく、それが出来る経営者だけが経営することになった方が日本全体がよくなる。
このような趣旨でした。

確かにこの数年進めている国の施策、最低賃金の向上や働き方改革と通じる点があり、施策の本質は市場から退出すべき企業の廃業を推進することにあるのだろうと思う。平たくいえばゾンビ企業への支援を打ち切りたいとの政府の意思。

部分最適を探る現場密着の政治家には受け入れがたい方針と思われるが、世界の中での日本との全体最適で捉えれば納得できる点が多かった。個人的には赤字企業は納税しなくても良いとの税法には違和感を抱いているので、弱者救済が国全体に及ぼす影響を考えるキッカケにもなった

今回のコロナ禍で倒産が増えることは確実で企業数は減る。
問題は失業する社員や元経営者の受け皿であるが、ニッチトップ企業、価値創造している経営者(リーダー)とそのブレイン、伴走役がキーとなる。

シオヤマの役割を再認識できた。
つまり、稼ぐ力を持つ企業(チーム)を育てること。

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