「人はなぜ、逃げおくれるのか」広瀬弘忠(著)

東日本大震災より9年目。
犠牲になられた方のご冥福を改めてお祈り致します。

災害心理学の広瀬教授の本に、どんな人が生きのびるかの記述があった。
なんだかんだ言っても富のある人は備えがある環境下にいるので生存確率は高い。と言って、経済的に豊かでない人が諦めるわけには行かないので、読み進めると興味深い事例があった。

2000年1月30日、179名の乗員・乗客を乗せたケニア航空:エアバス310機が、離陸直後に大西洋上に墜落。生き残った10人の一人は33歳男性のナイジェリア人。
新聞記者のインタビューに答えたのは「自分が生き残れたんはアクション映画の熱狂的なファンだったから」との談話。
彼は全く泳げなかったらしいが、映画の主人公のように絶対に生き残れると信じ続けた。映画のヒーローと自分自身を同一化して、どうしても生き残りたいという願望を、あのヒーローのように生きられるという確信に転換することができ、その結果として、過酷な状況に耐えうる力を引き出すことができたとの分析。

人の人生と同様に企業経営においても、サクセスストーリーを最初に作っておき成功した時のイメージを描き続けることが大切とも言われている。
気がついたら成功していたということはない。

感染症対策で人の活動に急ブレーキがかかり、経済にも大きな影響が出始めていますが、あの一件があったからこそ、こんな世界になった。
(実際、世界中の人が同じ問題意識を持っている)
そう言える世界になれると信じましょう。

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